大洗海岸6月4日|「海と踊る」日記(金澤 真里)



海岸に訪れる人は年々増加している。
私が子どもの頃、約三十年前は六月に海に訪れる観光客は少なく、プライベートビーチのようであったのを思い出す。


 大洗海岸の自然な植生が時間に追われる現代人の心を癒すのだろう。
浜松風は心の芯の声を思い出させてくれる。

石を拾う男性になぜ石を拾うのか声をかけ話をすると、灯籠を作るということだった。ここの石は多種多様な色や形があり、とても面白いと話してくれた。


 私も波と会話をする石達や、ころころと表情を変える植物達、訪れる人々の笑顔を見るのが楽しみなのだ。







風がチガヤの穂先を撫でながら通り過ぎてゆき、揺れる穂先は真珠色の光の帯びとなる。チガヤの草原を抜けるとハマゴウの森が広がる。



オレンジ色の太陽を雲の波が包み込み、一瞬にして辺りは白夜と化した。

ハマゴウの森は瞬きをする間に銀色の海となり、ユッカの白い花たちは満月の月白を浴びたように輝き放ち、青みがかった光の水滴は、ハマゴウの銀色の海へ小波を立てて流れていく。


その情景は、シベリウス「樹の組曲」作品75第一曲「ピヒラヤの花咲く時」を彷彿させる。



ユッカとハマゴウ





この日に見ることができた植物たちを紹介しよう。


浜辺の代表的な植物ハマヒルガオ


5月の終の頃に海辺の砂浜に群落をつくり美しい薄紅色の花を咲かせる。

多年生で地下茎を砂中にはって生育する。

北は北海道、南は沖縄までいたるところの砂浜に大群落をなす。

この植物が砂浜一面に繁茂すると砂嵐が防げるので、砂防用としても貴重な植物である。


テリハノイバラ


本州、四国、九州、沖縄の海岸の砂浜や海辺の草原、断崖に生えているバラ科の植物。

秋には手の小指の爪ほどの丸い実がなり、赤く熟すその姿はとても可愛らしい。


テリハノイバラの名は、葉がつやつやしているので、照葉 野薔薇というとこでつけられたとのこと。テリハノイバラは、ヨーロッパに輸出され品種改良によってつるバラがつくられた。


コウボウムギ


日本のどこの砂浜でも見ることができる植物。

長い地下茎を持ち、砂の中を深くのびて水分を吸収する。葉は固く水分の蒸発を少なくするようになっている。5月から6月にかけて花穂をつける。

かやつりぐさ科の植物。

コウボウムギは荒地を耕す役割を担っており、植物のない砂浜をコウボウムギが生育し

緑に変え、そこにいろいろな植物が入り緑の場をつくる。


コウボウムギは砂浜の環境を変えるうえで大切な働きをしている


ハマエンドウ


海岸のやや奥地、小石混じりの砂浜に多く見られる。

マメ科の多年草。

5月の頃、赤紫色の花の絨毯が見られる。ハマエンドウの絨毯の間に

薄紅色のハマヒルガオが花咲く姿は是非一度見て頂きたい光景


著者|金澤 真里(ビーチクリーンボランティア「海と踊る」主宰)


登録者|金澤 真里(ONCA)